こんにちは、フォトグラファーのタクヤ(@takudaipare)です。
最近すごい嬉しかったことがありました。
1人のフォトグラファーとして、写真を撮る者として、また、家族の一員として、去年の秋から兄夫婦のマタニティーフォトを撮り続けてきました。
そして撮影した記録を1つのアルバムにして今回、お嫁さんの家族へプレゼントしました。
その際、お嫁さんのお父さんが
「ウチの娘は本当に幸せ者だ、こんな素敵な写真を撮ってくれてありがとう」
目を潤ませながら、こう言われました。
ただただ嬉しかったです。
今日は、ただ僕がお嫁さんのお父さんに言われて嬉しかった感想を言いたいのではありません。
スマホが主流となって写真というものがデジタルだけで残されていくのではなく、
一枚の写真としてそれぞれを印刷し、”アナログ”として軌憶(きおく)を残していくことの大切さを話していきたいなと思います。
撮った後のストーリーを写真で紡ぐ
フォトグラファーをしていると本当に沢山の人と出会う機会があり、それぞれが違った職種であったり、普段では会えないような方々との出会いがあります。
撮影している時は、みなさんと触れ合い、コミュニケーションを取ることができるのですが、撮影が終わり、写真を納品した後の、みなさんの表情を汲み取ることが出来ないもどかしさは常にありました。
「どんな表情で自分たちの写真を見ているんだろう?」
「笑ってるのかな?」
「ん〜いまいち?」
「誰とその写真を見ている?」
こういったフォトグラファーにとって1番見て感じたい情景を、生では中々見ることが出来ません。
写真を撮るという仕事は、撮ることだけが仕事ではなく、その後のみなさんの作っていくストーリーに少しだけ関わらせていただける仕事だと思っています。
写真1枚で語られるストーリーが誰かに伝わり、伝えられた人の頭の中でストーリーがイメージされ、共有されていく。こうした流れの中に、僕らフォトグラファーが少しだけ関わらせてもらえるこの喜びは、本当に計り知れないものです。
ウチの娘は本当に幸せ者だ
僕には兄がいて、結婚をし、去年の夏にお嫁さんが妊娠したことを知りました。
とても嬉しい報告を受け、僕はそれをキッカケに1つ温めていたアイディアを兄夫婦に提案しました。
「定期的に同じ場所で2人の写真を撮りながら、お腹の成長を記録し、その一瞬を、これから生まれてくる新しい命へのプレゼントにしない?」
兄夫婦の答えはもちろん「YES」
「いいね、それめちゃくちゃ嬉しい!」
「絶対喜んでくれるよね!」
こうしてここから僕らの長期にわたるバースデイプレゼント計画が始まりました。
撮影はお腹が安定期に入った秋からスタートしました。
撮影する場所を選ぶのはとても大事なことで、色々兄夫婦とも考えた結果、生まれてくる季節が春ということで、”桜の木の下”に決定しました。
と言っても桜の木がある場所はたくさんあるので、お嫁さんのお腹のことを考えると遠くへは行けないということで、1番近くて大きな公園で桜の名所の1つでもあります、東京都立川市にある、「昭和記念公園」に決定しました。
妊娠15週、まだまだ小さな命
この時は妊娠15週、まだまだお腹も目立たないほどで、今見返しても本当にこれが後々あの大きさになるんだ!と驚きます。
ハロウィンの季節でもあったので、季節感が出るようにカボチャの置物を添えてあげたり、寒くなる前だったので、2人お揃いでこんなTシャツを着たりもしていました。
2回目の撮影は冬。妊娠22週を迎えお腹はポッコリ。
2回目の撮影は12月の冬。
木々は枯れ、辺りは殺風景となっていましたが、お腹も少し大きくなっていて、春が待ち遠しくなる撮影でした。
ここはアイディアが決めどころとあって、少しユニークな写真をメインに撮影しました。落ち葉をかき集めて降り注いでみたり、ひょっこりお腹のエコー写真を出してみたり、海外風な写真を撮ってみたりして、みんなで楽しんでいました。
妊娠37週、マタニティーフォト集大成
3回目の撮影は待ちに待った春。予定日の1ヶ月ほど前に撮影しました。
春になり、桜は満開、緑が生い茂り、まさにこの時をずっと待ち望んでいた景色が広がっていました。
お腹はもうすっかり大きく、長時間、長距離の移動が大変になってきていたので、近くにこんな素敵な景色がある場所があってよかったです。
桜の季節に妊婦さんがマタニティーフォトを撮ること自体がもしかしたら貴重なのかもしれません。
デジタル時代だからこそアナログの大切さを知る
こうして先月無事お嫁さんは出産をしました。
それと同時に、バースデイプレゼントのエピソード1も完結しました。
今の時代、撮った写真はそれぞれ皆さんが持つデバイスで好きな時に見ることができます。
ただ携帯を機種変したりすると、人によっては写真データをそのまま前の携帯に保存した状態で、いつしか撮った写真を見ることもなくなり、忘れられていく現状もあるでしょう。
写真の何がいいか、その1つとして”今を少し未来へ伝える”ことのツールになるということです。
きっとあなたも実家に帰った時や、昔の写真が必要になった時、押し入れからアルバムを引っ張り出し、ページをめくるスピードがゆっくりと流れていく経験をしたことがあると思います。
「ああ、こんな時あったな〜」
「この写真覚えてる!」
「この時大変だったんだから〜」
「あ、この子覚えてる!」
この体験は誰しもがしているはずなのに、今現在それを意識して写真を撮影し、保管している人は多くないのではないかと思います。
それはきっとデジタルが便利が故にそうなっていると思うのですが、
僕は今回撮り続けたマタニティーフォトを印刷し、お嫁さんのご家族へプレゼントした時に、その必要性の大きさを改めて感じました。
お嫁さんのお父さんが誤魔化すようにお茶目に振る舞いながら、でも目には涙が溜まっていきながら、1枚1枚写真をめくっていく姿を見て、
フォトグラファーとしての責任度が増し、そしてその喜びを噛みしめることができました。
きっと生まれてきてくれた小さな命が大きくなっていけばいくほど、今回撮影したマタニティーフォトの貴重さが上がっていくと思います。
そしてそれを印刷し、1つのアルバムにし、保管することが将来への贈り物になると思います。
マタニティーフォトに限らず、色々な場面で撮られる写真にはこういった不思議な力があると思っています。
写真1枚で人が笑ったり、泣いたり、時には伏せたくなるような過去であっても過去のその瞬間があったからこそ今があるんだと思えるならば、
こうやってフォトグラファーとして活動することに意味はあるんじゃないかなと思います。
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